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第13号(平成24年4月号)

もう一つの麻薬対策

もとゆき会 会長 市川和孝

最近、脱法ドラッグと呼ばれるものの横行が新聞やテレビで時折報じられています。中には麻薬に該当する成分を含むものもあるようで、こうなると脱法などとノンキなことを言っていられなくなります。言うまでもないことですが麻薬などの薬物乱用は、人々の健康を傷つけ、やがては社会を荒廃させる要因になります。どこの国でもその取締対策に取組んでいますがなかなか根絶やしにできていないのが現状です。藤井先生は早くからこの問題の重要性を認識され、政治活動の一環として熱心に取組んでこられたことは皆様ご存じのとおりです。

ところで麻薬には医療の現場で鎮痛という重要な役割を果しているもう一つの顔があることもご存じの通りです。アヘンは数千年前にはもう使われていたといわれますが、科学技術が発展した今日でもその有効成分モルヒネを越える痛み止めは開発されていないのが実情です。それほど優れた薬剤であるにもかかわらずわが国では医療の場でモルヒネ等が十分に活用されていないという問題があります。

もう20年以上前、私はアヘンの輸入契約のためインドへ二、三度出張しましたが、相手方である財務省の担当者から「米国へは500トン、ソ連へは300トン輸出しているのに日本へはたったの80トン。人口から見て理解できない。痛み対策に一体何を使っているのか」などと聞かれた記憶があります。実は日本が輸入したアヘンもその多くは化学的処理を経てせき止めなどに用いられ、痛み止めに使われていたのはほんのわずかな量でした。

WHOは1986年に医師の管理下で痛みを抑える目的で使用している限り麻薬への依存や耐性が問題になることはないという見解を明らかにしています。麻薬中毒という言葉が災いして患者の痛みが放置されている。当時、わが国のこのような状況を憂慮した埼玉県がんセンターの武田文和先生はじめ関係者の熱心な啓発活動により今日では麻薬による痛みの管理は普及してきています。しかし、いまなお十分とはいえない例があると先生は指摘しておられます。最近のわが国のアヘン輸入量がまだ120トン程度に留まっていることからもそのような指摘が外れていないことが推測されます。

乱用防止の対策が大切なことは言うまでもありませんが、がん等の痛みに苦しむ患者さんのQOL向上を目指して適性使用の一層の普及を図る、そういう麻薬対策もぜひ強化してほしいものです。