HOMEへ戻る
参議院議員藤井基之からのメッセージ
参議院議員藤井基之のプロフィール
参議院議員藤井基之の政策
会長挨拶
会長挨拶  
会長挨拶
もとゆき会の活動報告
広報資料
もとゆきライブラリー>かわら版会員投稿集

第41号(令和2年4月号)

ある外資系女子、第二の人生

もとゆき会会員 新村 木実
(アルジェニクスジャパン株式会社 薬事部門ディレクター)

3年前の冬、私は会社を辞めた。お医者からある病名を告げられ、即刻出社停止の指示が下ったのだ。

療養生活は心身の苦しさに会社への罪悪感が募り、恐怖と不安が加わった。少し冷静になると、今度は病気の悲惨な現実を知った。これからどうなるのか。私には趣味もない。仕事を取ったら何も残らない。生きている価値があるのか。

私はグローバル会社の日本オフィス立ち上げで医薬開発を担当してきた。不遇の時もなんとか乗り越え、次の機会に恵まれ、困難も努力で克服できると思っていた。しかし自信は砕け散った。傲慢に天罰が下ったのだ。

幸い友達が居てくれた。生存確認に近くまで会いに来てくれる。禁止されていたが、お酒を飲んでいる時だけは元気になれた。ある友人は、一緒に近くのお寺で観音経を教えてくれた。一連の所作で読経し、仏様や先祖、両親に感謝を伝え、救いを求めることが私の日課になった。

トレードも始めた。図書館やオンラインセミナーを利用し、やがて朝から夜まで忙しいトレーダーの1日が始まった。それは未知の業界と日々変わる社会や経済情勢への興味を広げてくれた。

夏頃、友人たちがコンサル業務に私を誘ってくれた。現役時代と同様グローバル会社の立ち上げオフィス。彼らの支えもあって感覚が戻ってきた。すると、海外の友人から次々仕事の依頼が来るようになった。

遠出ができるようになり、「坂の上の雲」の世界を訪ねた。旧海軍兵学校・現海上自衛隊幹部学校である。私は覚醒し、無知を恥じた。戦後の繁栄や平和は先人の犠牲のお陰であり、今は日々鍛錬し有事・災害支援と国民のために任務遂行する自衛隊の存在があるお陰だ。私は多くの現場を訪れ歴史を知り、敬意と感謝を込めて自衛隊の支援をしたいと思うようになった。知り合う方々も増えた。厳しい世界なのに、みな凛々しく、頼もしく、優しく、利他心に溢れている。後で知るのだが、枕崎にある私のお経のご本山は、戦艦大和の映画撮影の際、海底に沈んだ英霊たちに鎮魂の祈りを捧げたそうである。すごい縁ではないか。

そして、4月からある会社にお世話になることになった。苦しい時に支えてくれたご縁の方々に心から感謝する。私の活動範囲と興味は無限に広がった。もう仕事がなくなったら何も残らないなんて思わない。もうすぐ外資系女子の第二の人生が始まる。